弊社では、防爆ガイドラインやIEC Ed3.0に具体的な計算方法などの記載のない項目や複雑な条件に対しても、化学工学、熱力学、流体力学などの工学的な検討を行い、幅広く対応することが可能です。
※表内「FPEC対応範囲」の青字箇所は、防爆ガイドラインやIEC Ed3.0に具体的な計算方法の記載がない項目や、複雑な条件を示しています。
| 項目 | FPEC対応範囲 | 説明 |
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| 評価可能物質 |
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| 放出源 |
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| 屋外/屋内 |
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| Boiling / Non-Boiling liquid |
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| 対応業種 |
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規格通りに容易に計算できるため、リスク評価に当たって、それほどの困難は無く実施できます。
場合によって計算法が異なるため、少し複雑となります。
風による物質移動計算に基づく蒸発速度計算となり、IEC Ed3.0記載の計算式に基づき蒸発速度を計算します。この時の漏洩時間は現場パトロールなどの実態に合わせて、APIなどを参考に決定します。
IEC Ed3.0の規定により、本条件の場合IEC Ed3.0に記載されている蒸発速度式は適用できないため、弊社では太陽熱、大気、地面などとの熱収支計算から蒸発速度を求めます。
フラッシュする場合もIEC Ed3.0に記載されている蒸発速度式は適用できないため、フラッシュ計算によりフラッシュ率を求め、残った液からの蒸発速度は別途計算します。
このように、フラッシュガス量と蒸発ガス量を別々に分けて計算しないと危険距離の算定ができないため注意を要します。
下記に挙げる物質の物性は、その温度ごとに求める必要があり、物性推算法も活用しなければなりません。
多成分流体は組成変化を考慮する必要があるため、純成分流体に比べてさらに複雑になります。
フランジからの漏洩などについて、IEC Ed3.0は漏洩口面積の範囲を示していますが、(運転圧力/定格圧力)比などを考慮してリスクに見合った適切な値を決定する必要があります。
漏洩時に漏洩口の面積が拡大する可能性の有無によって漏洩口面積の示唆値が異なりますが、メンテナンスの状況、プラント建設経過年数、運転圧力、音速などを考慮して決定しています。
防爆ガイドラインで示されている「気化する液体の割合Ec(%)」は、通常は漏洩現象に沿って液の漏洩速度、蒸発ガス発生速度を求め、ガス発生速度を液の漏洩速度で割り戻すことで算出します。
文献や実験などでEcが既知の場合を除いては、最初から設定できる数値ではないので注意が必要です。
(Ec(%)はIEC Ed3.0には規定されていません。)
屋外の換気速度を実測値から採用する場合、IEC Ed3.0では年間を通じて95%以上の時間に必ず吹いている風とすることが求められています。
気象庁等で発表されている平均風速を換気速度として採用した場合、リスク評価として甘くなる可能性があるため注意が必要です。
防爆ガイドラインでは危険範囲の空間的な形状について言及がありませんが、IEC Ed3.0では下図のように示されています。これらを基に漏洩や蒸発の状況に応じて危険範囲の空間的な形状を決定しています。
「防爆ガイドライン」では主に屋外、第2等級放出源について書かれていますが、弊社は屋内、第1等級放出源についてもIEC Ed3.0に基づきリスク評価を実施しています。
第1等級放出源は危険物の取り扱われ方により様々なケースがあるため、ケースバイケースでガス放出速度を求める必要があります。以下に評価の一例を示します。
タンク内がほぼ空の状態で、空間容積が最大のとき、わずかに残っている液がその温度で気液平衡にある状態を想定します。タンクの屋根や側壁への太陽からの輻射熱、放射熱、風による対流伝熱などの入出熱を計算し、タンク内気相部の温度上昇速度を求め、気相部の体積膨張速度からベントガスの放出速度を求めます。
太陽からの輻射熱は設置場所の緯度経度、日付、時刻の太陽高度から決まるため、ガス放出速度の経時変化を求めることにより、危険区域の時間帯による変化を把握することができます。
タンク満液の場合、タンク側壁の貫流熱量を計算し、その熱により内部液が温められる場合を想定します。タンク側壁の温度が沸点より低い場合、入熱は全体の液温の上昇に使われ、タンクの側壁の温度が沸点に達すると入熱は全て液の蒸発に使われることとし、ガスの放出速度を求めます。
フローティングルーフタンクの場合、気相部の空間容積がほぼないため、気相空間膨張ではなく、こちらの沸騰蒸発を検討します。
上記同様に、太陽高度の時刻変化を求めることにより、危険区域の時間帯による変化を把握することができます。
大気に開放された液面から蒸発する場合、液の取り扱い状況、液面上の風の有無(容器の深い部分に液面がある場合は風が吹きにくいなど)などを確認の上、物質移動計算または熱収支計算によりガスの発生速度を求めます。
塗装面全体に一時に一様に塗られ、塗装面全体から蒸発するケースを想定します。リスク評価としては最大のガス発生速度となり、厳しい側の評価として検討します。
開放容器に最も揮発性の高い液(第1液)が入っていて、その中に別の液(第2液)を投入され、第1液から発生するガスが、第2液の容積分、開放容器から押し出されて放出されるケースを想定します。
第1液から発生するガスの濃度、第2液の投入容積、投入時間から放出速度を求めます。
第2等級放出源は通常運転中に稀に発生する放出源であり、基本的には防爆ガイドラインやIEC Ed3.0に示されている次のフィッティング類が対象となります。
また、危険物施設での作業状況に応じて、ヒューマンエラーに伴う漏洩を検討します。例として、製造現場に運搬する危険物容器(ドラム缶、一斗缶等)を誤って転倒させ、漏洩につながるケースがあります。
この場合、容器内の全量が一時に漏洩し、広がった液表面からの蒸発を想定します。
漏洩量が大きいと危険区域判定になることが多くなりますが、この判定を非危険区域としたい場合には、容器の転倒防止対策や容量のより小さな荷姿への変更などを自主行動計画書に明記し、非危険区域とするための対策を宣言します。
自主行動計画書は管轄消防へ提出し許可が下りるものですので、記載した対策は約束事になり、法同様に遵守していくことになります。
何れにしてもIEC Ed3.0に求められているように、リスク評価に当たって決めた数字の根拠を示すことが重要です。弊社では、リスクの評価結果を物性データとともに検討ケースごとに下表のようにまとめ、リスク評価の詳細を明確に記録しています。
海外拠点のリスク評価にも対応でき、評価結果資料を英文で提示することも可能です。