プラント災害におけるリスクは主に3つあります。
プラント災害リスク評価では、まず始めに、これらのリスクに対する初期事象を抽出し、その初期事象から災害が発生する頻度を求めます。さらに、災害が発生した場合に及ぼす影響度を求めます。
初期事象ごとに求めた頻度と影響度を用いてリスクレベルを決定し、対応策の緊急性、必要性を決める際の判断材料として提示します。
プラント災害では危険物の漏洩が初期事象であることが多いため、漏洩を初期事象として検討を開始します。漏洩に至る原因が誤操作や機器の故障である場合は、さらに遡って誤操作や故障を初期事象とします。一方、危険物が関係しない電気室のケーブル火災、落雷による建物の火災などの場合、火災そのものを初期事象とします。
このように初期事象として何を選択するかは重要であり、プラントについて深い造詣と経験が必要です。弊社は永年の経験と実績により最適な方法を提案します。
発生頻度評価の具体的な手順は以下の通りです。
各初期事象についてイベントツリーを展開し、事象ごとに誤操作、故障などの確率を適用して災害が起こる発生頻度(回/年)を求めます。
この作業のためにはプラントに配置図、P&IDフローダイアグラム、機器データなどの資料が必要です。また、誤操作、故障などの確率は石油コンビナートの防災アセスメント指針、原子力関係のデータ、あるいは米国やEUで公開されているデータを採用します。
相対的な優先度を決定したい場合には、各初期事象から災害が起こる発生頻度のうち最大のものを基準とした相対的災害レベルインデックスを用いて評価することも可能です。
影響度評価の具体的な手順は以下の通りです。
影響度を評価する指標としては、災害により被った人的被害、設備を再建するための建設費用、営業停止期間の損失、風評被害による損失など様々な損失が考えられ、また場合によってはそれらの組み合わせも検討しなければなりません。いずれの指標を優先するかは、お客さまの安全に対する方針や考え方に基づくため、お客さまと協議の上、設定します。
指標ごとに影響度区分を設定し、災害による影響度を決定します。区分の設定にあたっては、石油コンビナートの防災アセスメント指針、原子力関係のデータ、あるいは米国やEUで公開されているデータを参考にします。
指標ごとに影響度区分を設定し、災害による影響度を決定します。区分の設定にあたっては、石油コンビナートの防災アセスメント指針、原子力関係のデータ、あるいは米国やEUで公開されているデータを参考にします。
さらに、災害によって起こる影響の物理的範囲を見積もる必要がある場合には、災害シミュレーションを実施します。弊社では自社開発のプラント災害シミュレーションを用いて影響範囲をご提示します。
各々のシミュレーション技術についてはプラント防災シミュレーションを参考にしてください。
発生頻度評価で得られた災害発生頻度(F)と影響度評価で得られた影響度(S)から、各々の初期時事象に伴う災害リスクレベル(R)を下式により求めます。
災害リスクレベル算出式
R=F×S
災害リスクレベル(R)に応じてリスクレベルを下図の例のように分類し、対応策の緊急性、必要性を決める際の判断材料とします。
| リスクレベル 評価 |
災害リスクレベル(R) | 備考 | |
|---|---|---|---|
| From | To | ||
| EXTREME Risk | 1.00E-03 | ~ | 緊急にリスク低減対策を行う。 |
| HIGH Risk | 1.00E-04 | 1.00E-03 | なるべく早急にリスク低減対策を行う。 |
| MODERATE Risk | 1.00E-05 | 1.00E-04 | 緊急性はないが、リスク低減策を行うことが望ましい。 |
| LOW Risk | ~ | 1.00E-05 | 特にリスク対策を行う必要はないが、安全管理を実施する。 |