本プログラムは、大容量泡放射砲を用いた「浮き屋根式タンク全面火災」の消火戦術を高度にシミュレートするために開発しました。
燃焼液面上における泡橋頭保(きょうとうほ)の確立時間および泡の展開速度を算出。これらに基づき、理論的な消火時間を導き出します。
有風下における最適な泡放射砲の配置ポイントを特定。気象条件を考慮した実効性の高い消火戦術を策定可能です。
火災による輻射熱計算を行い、隊員の安全な活動限界距離や、消防車両・機材の配置可能範囲を可視化します。
浮き屋根式タンクのみならず、固定屋根式タンク火災における消防車や泡モニターを用いた消火シミュレーションにも対応します。
本プログラムは下記の計算機能を総合的に組み合わせたものです。特に泡の展開速度や泡の損失に関してはスウェーデンの研究機関で行われたFOAM SPEXSと言う実験報告に基づいております。
専用の「FMビューワー」をご活用いただければ、お手元のPCでシミュレーション結果を自由自在に操れます。「見たい場所」をピンポイントで拡大・回転できるため、従来の静止画に比べ、解析精度への理解が飛躍的に高まります。
対応: タンク火災消火 / 輻射熱計算 / 水・泡放射
詳細はFMビューワーの紹介ページにて詳しく解説しています。
泡放射ノズルから放出された泡は風の影響を強く受け、飛行中に飛散するなどしてロスが生じます。一方、タンク火災面では燃焼により激しい上昇気流が発生しており、タンクの縁から中心に向かうほど大きな上昇気流となります。また燃焼面すれすれの高さでは上昇速度は大きくありませんが、燃焼液面から高くなるほど上昇気流速度が大きくなります。したがって泡の効果的投入はタンクの円周に近い縁部か、燃焼液面すれすれの高さということになります。
タンクの円周部に投入する消火方法はスウィートスポット方式、タンク燃焼面すれすれに投入する方法はフットプリント方式と呼ばれています。弊社はスウィートスポット方式を提唱していますが、フットプリント方式にも対応しています。
右図は大容量泡放射砲からスウィートスポットに泡を投入した例です。黒い円筒部分は上昇気流速度の速い範囲を表しており、この部分に放射された泡が接触するとプログラムは不適当と判断します。スウィートスポットに旨く泡が入ると泡放射が黄金色に変わります。
スウィートスポットに投入された泡は燃焼液面に到達しますが、燃焼液面の温度が高いため、泡が蒸発して消えてしまいます。それでも継続して投入し続けると、その部分の液面が冷却されて泡が溜まるようになります。この最初に溜まる泡を「泡の橋頭保(きょうとうほ)」と呼んでいます。この橋頭保をベースに以降、泡が燃焼液面場を展開していき、最終的には消火に至ります。全消火時間のうち、泡の橋頭保を確立する時間が最も長くかかり、泡の展開は泡の投入速度によりますが、それに比べると短時間です。
左図は泡の橋頭保を作っている最中の状態です。泡の橋頭保が確立するまでは火災の勢いは変わりません。
右図は泡が燃焼液面上を展開し始めて、部分的に消火している状況です。輻射熱もそれに応じて減少しています。