漏洩・蒸発・拡散

漏洩・蒸発・拡散シミュレーションについて

弊社は、化学プラント等における災害の主たる初期事象である「危険物質の漏洩」に着目し、漏洩液体の広がり、蒸発、ガス拡散に至る一連の現象を解析するシミュレーションプログラムを開発しました。

下図に示す通り、液体が漏洩すると液体が床面を広がるのと同時に蒸発し、そのガスが拡散していきます。刻一刻と変化していく状況を踏まえて、漏洩量、液の広がり、蒸発量を同時に計算。その計算データをガス拡散シミュレーションに連携させることで、漏洩発生から時間経過に伴うガス拡散の推移を「濃度マップ」として可視化します。一連の災害の流れに基づいた、精緻なリスクアセスメントを支援します。

防油堤・防液堤がない場合

液漏洩中の現象

液漏洩中の現象

漏洩停止後の現象

漏洩停止後の現象

防油堤・防液堤がある場合

堤による液止め効果

堤による液止め効果

カタログ

漏洩・液の広がり・蒸発・ガス拡散シミュレーションのカタログは、こちらからダウンロードいただけます。

漏洩・液の広がり・蒸発・ガス拡散シミュレーション カタログ表紙

漏洩・蒸発計算

漏洩

一般にプラント・工場で取り扱う危険物の漏洩は、以下の5つのタイプに分類されます。
弊社のプログラムは、どの漏洩タイプであっても計算可能です。

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漏洩のタイプ 代表的な貯蔵形態 フラッシュ計算 漏洩量計算
気体のみの漏洩 水素ガスタンクなど _
  • 気体のみの漏洩
  • 安全弁からの放出
大気に開放されている
貯蔵液体の漏洩
常圧タンク _
  • 容器からの直接漏洩
  • 配管を経由しての漏洩
大気圧下にある
冷凍貯蔵液体の漏洩
LNGタンクなど _
  • 容器からの直接漏洩
  • 配管を経由しての漏洩
加圧下で
気液平衡状態にある
液体の漏洩
LPG球形タンクなど
  • 容器からの直接漏洩
  • 配管を経由しての漏洩
    (二層流流計算)
他の気体で加圧されている
液体の漏洩
窒素ガスで加圧されているフッ化水素タンクなど
  • 容器からの直接漏洩
  • 配管を経由しての漏洩
    (二層流流計算)

漏洩液体の広がりと蒸発

漏洩液体の広がりおよび蒸発速度の算出には様々な方法が提案されていますが、弊社のプログラムはそのすべてに対応可能です。
液体の広がり計算においては、一般的にはUSA-FEMA採用モデルを推奨しています。
また、蒸発速度については、ALOHAプログラムでも採用されている、漏洩液体プールを取り巻く全ての熱バランスから計算する方法を推奨しています。
この手法は、大気安定度や太陽高度を求めるための緯度・経度および日時、風速などの気象条件、床面の熱伝導度など多くのパラメータを詳細に反映させて計算を行うため、非常に精緻で複雑なものになっています。

漏洩液体の広がり計算について

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計算方法 計算方法について
KHE-E-007
(高圧ガス保安協会)
LNGなど低温液体に使用
USA-EPA
(米環境保護庁)
液体の厚さを一律1cmとして計算
USA-FEMA
(米連邦緊急事態管理庁)
液体の広がり面積は漏洩液体量の約1/2乗に比例する。
ALOHAプログラム
(米商務省・海洋大気局)
KHKで採用されている方法と似た方法であり、広がり速度が速い。

漏洩液体の蒸発速度の計算について

横スクロールできます
計算方法 計算方法について
KHE-E-007
(高圧ガス保安協会)
LNGなど低温液体に使用されるもので、地面からの熱吸収のみ考慮
USA-EPA
(米環境保護庁)
液表面近くの風速により、蒸気圧に応じたガスが運ばれていくという計算
USA-FEMA
(米連邦緊急事態管理庁)
液体の燃焼速度から推算
U.S. Air Force
(米空軍)
ヒドラジンの実験データとの比較計算
ALOHAプログラム
(米商務省・海洋大気局)
太陽光からの入熱、大気との熱交換、地面からの熱吸収など全ての熱バランスを考慮

漏洩・蒸発の計算例

球形タンクからブタンが10分間、防液堤の中に漏洩したケース

漏洩中のガスの発生量は、漏洩時即座にフラッシュしたガスと、溜まっている液から蒸発したガスを加算したものですが、漏洩停止後は、10分間で溜まった液の蒸発のみとなり、液が無くなるまで蒸発していくことになります。

漏洩量・液面積・蒸発量の時間変化(拡大)
液温度・蒸発速度の時間変化(拡大)

ガス拡散シミュレーション

特徴

弊社のガス拡散プログラムは大気拡散評価に実績のあるパフモデルを採用しています。パフの間隔はできる限り密にし、計算精度を上げています。
濃度分布/強度分布は地図上に3Dまたは2Dでグラフィック表示できます。あらかじめ観測点を設定することにより、濃度・強度の時間変化をグラフ表示できます。
原油だけでなく、可燃性ガスの場合はppmの濃度分布に加えて、%LEL(爆発性気体のみ、爆発下限界に対する割合)表示も可能です。

ガス拡散計算モデル

ガス拡散シミュレーション実施例

球形タンクからブタンが10分間、防液堤の中に漏洩したケース

上述の漏洩・蒸発のデータをガス拡散シミュレーションプログラムに入力した結果のアウトプットです。

2次元・3次元マップ

2次元表示した濃度分布図

2次元表示した濃度分布図

表示する濃度の高さ位置は任意に指定できます。国土地理院発行の地図の上に載せることも可能です。

3次元表示した濃度分布図

3次元表示した濃度分布図

二次元マップ左に示す濃度分布:
上を北とした場合、二次元マップを西側から見た三次元濃度分布
二次元マップ下に示す濃度分布:
南側から見た三次元濃度分布

計算条件・凡例

下図は、計算条件、マップ表示濃度、表示色などのデータを分かりやすくまとめたものです。表示濃度は、LELに相当する濃度ppm、安全労働条件、人体に関する危険水準など、様々な基準を元に設定します。

計算条件・凡例